減断薬とてんかん発作

 

 前述しましたが、減薬中はまだ不勉強で、ベンゾジアゼピン系薬の急な減断薬 でてんかん発作が起きることに確信がありませんでした。娘に「薬を飲ませたくない」気持ちの方が強く、知識不足のためにそのまま減薬を続けてしまいま した。繰り返しますが、「怒りや興奮、失語、不安感、恐怖心、幻聴などはてんかん性の精神発作」であると同時に「減薬が速すぎて苦しいです、早く元に戻して下さい!」という、「体からの大事なサイン」だったのです。それを「そうした症状が出るのが当たり前」「禁断症状が出ないと減断薬はできない」と考えて我慢したり、放置したままでいるのは大変愚かなことでした。

 

 また「我慢し、ひたすら耐えることで心身を鍛える」と言った精神論も、この場合妥当ではありません。発作が見過ごされてしまい、取り返しのつかないことになるからです。てんかん発作は凄まじい脳への破壊力を持っています。ですから発作を起こすような減断薬は絶対にやってはいけなかったのです。ただ見た目には、出血や大きな腫れがあるわけでないので、周りはその深刻さになかなか気づいてやれません。其れが悲劇を生みやすい原因になってしまうようにも思います。