最後に

 

 繰り返しますが、向精神薬の減断薬は未だ言われ出して日が浅いです。飲むこと以上に、減断薬は後遺症のリスクが高いことを、殆どの方は知らないと思います。それは薬のせいばかりではありません。誤った減断薬法自体が人生を崩壊させます。今後、減断薬によっても被害が増えないように、少しでも歯止めがかかるようにと切に願っています。皆さまにおかれましては、どうか無事に減断薬が成功されますよう祈っております。

 

 最後に「私の願望」を書きます。

 

 漸く昔の娘が戻ってきました。 嬉しくて嬉しくて毎日沢山話をしています。娘の話はユニークで、他人の事をよく観察しているなと、とても感心させられます。いつも一緒に散歩に出かけ、たまにドドールカフェで、娘の大好きなソイラテを飲みます。近所のスーパーにも、娘の好物の秋刀魚を一緒に買いに行きました。娘は大好きな『青葉の笛』や『さくら貝のうた』『海(松原遠く・・・)』『冬の夜』を友人知人の前で、嬉しそうに披露しました。カラオケも大好きです。それから端正な文字で、お話をノートに沢山書いています。書き過ぎて、すぐにペンだこが出来てしまうので、爪切りでスパスパっとタコを切り取っています。痛そうなので「止めたほうがいいんじゃないの?」と言っても一向に止めません。でも大抵その後は小さな絆創膏を指に巻いています。とても可愛くて可笑しいです。

 先日、娘とオーストリア旅行に行ってきました。荘厳な教会美術にいつまでも見とれ、深く感動しているのが分かり、絵画や彫刻など、もっと色々見せてやりたいと思いました。伊豆旅行では、のんびりゆったり温泉にもつかりました。露店風呂とサウナと室内風呂を何度も行き来しては楽しんでいました。好物の目玉焼きも、鯵のムニエルも自分で作れるようになりました。ピアノも毎日弾いています。私など全然弾けないのに凄いなあと感心します。ずっと願って止まなかった友達も何人か出来ました。どんなにか嬉しく誇らしいことかと思います。

 娘にはお気に入りの人形がたくさんあり、端正な文字で名前を書き込んだシールが貼り付けてあります。友人の少なかった娘には、どれもこれも幼いころからの大切な友達です。旅行に行く時にも、お気に入りの人形たちと一緒です。

 それから家族で外食するのも大好きです。美味しいお店を見つけて、これからも家族で行こうと思います。近くの席でおばさん達が大声で騒いでいても気になりません。もう「幻聴」も「聴覚過敏」も「怒り」もないのですから。

 娘はいつも自分の世界で空想を膨らませ、楽しそうに嬉しそうに笑っています。とてもかわいい笑顔です。これもまた精神科の先生方からは「空笑が出ています。統合失調症ですね。」と言われるのでしょうね。でも発達障害者は、ファンタジーの世界でも独りで楽しめるものなんです。私はこの笑顔が大好きです。とても幸せそうだからです。これからも娘の笑顔を見るために生きていこうと思います。それだけで十分です。幸せは人それぞれでいいんです。

 

そして娘に手伝ってもらい、このホームページを作ることが出来ました。

 

          本当に何ということもないですが、これが娘と私の望んでいた人生です。