はじめに(減断薬の失敗)

 娘は9年間服用していた精神薬の減断薬に失敗し、後遺症に苦しむ毎日を送っています。失敗の最大の原因は、娘が抱える発達障害の特性である「薬剤性過敏」・「てんかん器質」を考慮せずに減断薬を行ってしまったことにあります。

 

 

 「向精神薬の減断薬」は言われ出してから、まだ日が浅いです。ですから「無理な減断薬は、服薬以上に後遺症のリスクが高いこと」を、殆どの方は知らないと思います。リスクが高い理由は、薬のせいばかりではありません。減断薬のやり方自体が、患者に取り返しのつかないダメージを与えてしまう場合があります。特に娘のような発達障害者は、そのリスクが高まると考えて、ほぼ間違いありません。

 あくまでも個人的な経験ですが、娘の減断薬時の様子、後遺症、失敗の原因などから学んだことをお話することで、少しでも皆さまのお役に立てたらと思います。娘のように後遺症で苦しむ人が1人でも少なくなるように切実に願っております。

 

 記述にあたっては専門書や医療関係者のお話も参考にしましたが、極力、実体験に基づき書きました。専門の先生方からは、ご批判やお叱りが出るかと思います。勿論、私どもの経験や知識は乏しく、単なる主観や思い込みに過ぎないこともあろうかと思います。また全ての方に当てはまる事例でもございません。もっともっと過酷な状況にある方は「まだまだ甘い」と思われるかもしれません。「こんなひどいことをやって、本当にバカで愚かな母親だね。あははは・・・」と笑って頂くだけでも構いません。それでもお医者様の側からでなく、発達障害をもつ患者側からお話することに、何かしら意味が あるように思っています。

 

 「全部読むのは、体力的に無理だ、面倒だ。」と思われる方は、赤い文字のところだけでもお読みくだされば幸いです。